3月 23日 水曜日
3月21日、日本医科大武蔵小杉病院(川崎市中原区)で「てんかん治療医療連携研修会」が開催された。これは、意識の喪失やけいれんなどの発作を起こす慢性脳疾患「てんかん」への理解を深めようとしたもので、患者、家族、医療福祉関係者ら約40人が参加した。発作の様子を記録したビデオや医師らの講演で、治療や対応を学んだ。
同病院によると、てんかんの発生率は約0:8%で患者は約100万人となっている。7割の人は薬で発作が抑制でき普通に社会生活を営んでいるが、発作を理由に解雇されるなど社会的偏見も残り、社会の理解が必要となっている。
今回の講座では、原クリニック(横浜市南区)の原恵子医師がてんかんの概要と薬の選択などについて解説した。原恵子医師は「治療のゴールは人により異なる。その人の望む人生を送れるように薬の選択、治療方法が決まる。妊娠希望の女性にも適した抗てんかん薬の飲み方がある。」とコメントした。武蔵小杉病院脳神経外科の太組一朗医長は「薬で発作を抑制できない約30万人については外科治療も選択肢に入る。」との意見を述べた。
また、静岡てんかん・神経医療センターの原稔枝看護師は看護とリハビリの直面する課題を報告した。「生活支援、就労支援が問われている」と指摘し、社会への啓発の重要性を訴えた。
武蔵小杉病院は昨年、厚生労働省から全国8カ所の「てんかん診療拠点機関」の一つに選ばれた。県も同病院と連携して「てんかん地域診療連携体制整備事業」を開始。講座は同事業の一環として実施された。
日本医科大武蔵小杉病院
http://kosugi-h.nms.ac.jp/
てんかん治療医療連携研修会 3月21日
http://kosugi-h.nms.ac.jp/news/1245.html
てんかん地域診療連携体制整備事業 神奈川県
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f533964/