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飲む温泉、じわり浸透? =薬剤師会がガイド本―大分

1月  7日  日曜日

入浴だけでなく温泉水を飲む「飲泉」の魅力も知ってもらおうと、大分県薬剤師会が県内の飲泉所を紹介する本を作った。温泉が生活に溶け込んだ「おんせん県おおいた」。まだなじみの薄い飲泉文化が浸透するのか、注目される。

本は「おんせん県おおいたの飲泉スポット30」。県内の飲泉許可施設から30カ所を選び、泉質や味、適応症と禁忌症などを写真付きで紹介した。1日の飲用許容量や衛生面での留意点もまとめた。非売品で、観光施設や各種学校、図書館に置く予定とのこと。

中でも人気が高いという大分市廻栖野の塚野鉱泉を訪ねた。山裾に入浴小屋と「霊泉」の水くみ場が設けられ、小さな井戸のような湧出口からひしゃくですくう。温度は冷たく口にすると舌がぴりっとする感覚と塩味、酸味がある。空ボトルを手に水をくみにやってくる人々は「胃腸に良いので毎日飲む」と口をそろえる。近所の主婦、倉橋ヤス子さん(68)は10年以上飲み続けている。「朝夕食前に飲む。食欲が出るし、お通じも良い」

菩薩様が祭られた霊泉場の壁一面にびっしり掛かる木札には奉納金を納めた人の名前や住所が書かれ、中には関東地方から来た人も。地元で旅館「山水荘」を営み、塚野鉱泉を管理するAさん(44)の話では、鉱泉周辺はかつて胃潰瘍の患者が飲泉も目的に多く訪れる湯治場だった。回復のお礼にと毎年欠かさず霊泉場詣でする人や、評判を聞き遠方から来る人は今もいる。

飲泉本を監修した由佐悠紀京都大名誉教授によると、水が貴重な欧州では入浴より飲用が主流という温泉地は少なくないが、日本では、有名な別府温泉の文献にも飲泉の記述は見当たらない。由佐教授は、日本は良質な水に恵まれているため、日常的に温泉を飲む習慣がなかったのではと推測する。

一方、由佐教授の話では、8世紀ごろ編さんされたとされる豊後国風土記に、現在の塚野鉱泉の辺りから「酒水」が湧き、人々は皮膚病の治療に使っていたとの記述がある。味は酸っぱいと書かれているという。

塚野鉱泉では「子どものころから体に良いから飲みなさいと言われていた」という人にも出会った。古来温泉を飲む地域が日本にもあったのかもしれない。

大分県薬剤師会
http://www.oitakenyaku.or.jp/


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2018-01-07 17:33:22  

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